SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

きみは本当に僕の天使なのか

[著者:しめさば/イラスト:緜/ガガガ文庫]

 ひとりのトップアイドルが、アイドル業界の後ろ暗い闇を暴く為、自らのアイドル生命を賭けて立ち向かって行く。主人公のいちアイドルファンは、そんな自分の『推しアイドル』の強引過ぎる要望に激しく戸惑いを覚えながらも、彼女の強固な意志に触れて共感を覚え、徐々に助力して行くようになる。

 いくら世間的にトップアイドルとは言え、個人で立ち向かうには限界があるし、業界の権力者の悪意を覆せるだけの力もない。そう考えると、麗の行動って相当に危険な賭けだと思わされて、いくら自信に満ち溢れていても「どこかで落とし穴にはまるのでは……」と、嫌な冷や汗が出まくってました。

 ただ、危機感を抱くのと同時に、大切な人を貶めた業界の裏を何が何でも暴いて見せる、と言う麗の決意や覚悟も強く伝わって来ました。まあ自分の犠牲も躊躇わない、相当に無茶して突っ走る性格の様で、暴走寸前を軌道修正させてくれた優羽の存在は大きかったですよね。この辺りは、彼を選んだ麗の目に狂いは無かった、と言う事でしょうかね。

 今回の騒動は一応の収束は見られました。で、次の段階で気になっているのが、優羽と麗の関係性。これまで優羽の『女性恐怖症』が歯止めになっている感じでしたが……ここが変化した場合、果たして二人の付き合い方はどうなって行くでしょうね。