[著者:十本スイ/イラスト:夜ノみつき/ダッシュエックス文庫]
変身アイテムでいくつもの『顔』を使い分ける主人公。徐々に元の人格と名前が分からなくなりつつある問題。ちなみに主人格は坊地比呂、高校生です。
いや、物語中では何ら問題ないんですけどね。読んでるこっちが、比呂の複数人格の使い分けでふと「元の人格ってどんなだっけ?」と疑問に思っただけの事。
比呂自身は、使い分けにもかなり慣れて来た様子で、あんまり人格についてどうこうは問題にしていないみたいです。自身の利益が第一であり、そこに支障が生じない限りは、人格使い分けを最大限に利用して行くような感じで。
今回も、ざまぁ案件は充実してました。どうしようもないクズを描くのと、それを完全に叩き潰す展開を描くのが巧いですね。展開は割と先読みしやすいですが、クズに同情する余地が一切ないのでスカッとさせてもらえます。
ただ、ここしばらくは、あくまで『依頼を受けて誰かを助力する立ち位置』なんですよね。なので、比呂自身の事情を含めた話をもっと見たいかなあ、とちょっと思ったりもしました。
十本 スイ/夜ノ みつき 集英社 2021年08月25日頃