SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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幼なじみが妹だった景山北斗の、哀と愛。

[著者:野村美月/イラスト:へちま/ガガガ文庫]

 北斗と春の関係性。

 タイトルから既に察してはいましたが、分かっているだけに与えられる辛さも倍増と言う感じでした。


 春の事が物凄く好きで好きでたまらないんだけど、拒絶をするしかない。

 拒絶をすればするほど、春に対する抑えられない衝動があふれ続けて来てしまう。 

 あふれてどうにかならないよう、更に春の好意を強く拒絶し続ける。

 拒絶する程に、狂おしい程の『好き』を自覚して行ってしまう。


 と、まあ大体こんな流れで。

 気が狂いそうなほどの激情の波に飲み込まれてしまいそうでした。

 辛いを超えた、心に深く突き刺さるような『痛み』でしたね。


 「これ、どうやって収束させるんだろ?」 って、ずっと結末に対して想像を巡らせてました。

 個人的には……最後はね、これで良かったなって思えたかなと。  


 あと、冴音子さんと遥平はとてもとても良い人。

 北斗と春はこの二人に救われた、と言い切ってもいいのかも知れません。