SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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おっさん冒険者の異世界放浪記 若返りスキルで地道に生き延びる

[著者:なまず太郎/イラスト:又市マタロー/ドラゴンノベルス]

 『スキルレベル×1歳分』の年齢が若返るという、捉え方によっては超絶反則級スキル。

 ただし、他に何の能力も持たされず、いきなり何も分からない異世界のどっかに放り出されたとしたら? しかも、前世で身も心も疲れ切った『40代のおっさん』が。どうなると思います? この異世界の危険度で言うなら、あっさり野盗に殺られるか魔物に殺れるかでおしまい、だったと思います。

 その辺りを考えると、この物語の主人公・アジフは、初手の立ち回りを間違わなかったと言えるのかも知れません。人生経験から来る、咄嗟の『危険回避の判断』とでも言えるでしょうかね。本当に最初ロクに闘う能力もない所から、よく生き延びた上にスキル経験も積んで、冒険者らしく戦えるようになったなあ、と感心させられました。なにしろ〝命あってこそ”有効活用が可能な奥の手の『若返りスキル』ですから。

 1度使うと1年経つまで使用不可=1年に1度しか使えないスキルですが、その恩恵は計り知れません。この1巻目だけで、なんともう既に10歳以上も若返っているんですよ。今後アジフがどこまでの若返りを考えているのか、若返りを繰り替えした先で何を目的にするのか、注目してみたい所です。