[著者:秋/イラスト:しずまよしのり/電撃文庫]
ファンユニオンの『狂気』が別世界の世に放たれてしまった……でも意外な活躍ぶり。びっくり。
まあそれはさておき。続きを読むのが久々だったので、「そういや今のアノスって何を目的に行動してるんだっけ?」とかを探りながら読んでいました。今回で言えば、アノスが失った過去の記憶を取り戻す事と、『選定審判』のシステムを滅ぼす事でしょうかね。
もっとも、大元には自分の国の『安全と平穏』を護る事が目的になっているようなので、記憶を取り戻すのも選定審判を滅ぼすのも、あくまでその為の手段に過ぎないのかも知れません。今回、それらの手段を求めて竜族が住まう地下世界に降り立ちます。
一番の注目は、最初からアノスの記憶と深く関わっていそうな空気を感じさせていたアルカナについて。夢の中の出来事は、本当にアノスとアルカナの事実の追体験と思っていたので、終盤で真相が明かされた時は「まさか……」と言う印象でしたよね。分かった後で、思い返せば色々と伏線を貼ってたなあって感じでした。
そうなると、「じゃあサーシャとミーシャの融合体って結局何なの?」ってなるんですが。単純に嘘をつかれただけなのか、それとも他の神が影響しているのか……どうなんでしょう。ちょっと気になる所です。
敵対者の想像のはるか上を行くアノスの圧倒的な破壊力で、嫉妬に狂った風な教皇の暴挙も無事鎮圧……と思いきや、地下世界編はまだまだ続く模様。結局アノスの過去についてはハッキリ分からないまま。今回登場した、彼の『父親』なる人物との相対する事で、今後色々見えて来る事になるのでしょうか。