[著者:秋田禎信/イラスト:椎名優/富士見ファンタジア文庫]
偶数巻のフリウ編。話の展開はゆっくりな印象でしたが、多くの謎とされている部分が側面から僅かずつながら剥がれ始めて来たような、そんな手応えはありました。
全ての起点は8年前のフリウによる精霊暴走事件で、そこから様々な事が実に複雑に絡み合っている印象です。サリオンも当事者の一人なのですが、フリウの事情にどこまで関わることになるのか?
フリウに対して負い目がある以上、彼女の旅路で何らかの決着を見るまでは、サリオンもまた離脱出来ない。あるいは、フリウにどう思われようとも、彼自身が離脱する事を許そうとしない。そんな感情が見え隠れしているようにも思いました。
あとは、フリウにとってベスポルトの生存報告は朗報だったのかどうか。嬉しいには違いないけれど、多くの分からない事が残されたままなので、直接真実を聞くまでは納得出来ないでしょうね。