[著者:春の日びより/イラスト:ひたきゆう/TOブックス]
主人公不在の魔術学園編。じわじわとアーリシア(偽ヒロイン)の男に媚びた『毒』が、ターゲットに定めたダメ男達を侵食して行く。エル王子も本気で慕ってくれているクララの気遣いの言葉も聞く耳持たない様子なので、もう駄目だこりゃって感じです。
とは言え、別に大した能力も持っていなさそうな虚像の小娘が足掻いた所で一体何が出来るのか、と疑問視する所もありました。女に対する憎悪と、男に対する媚びた執着の歪みっぶりがとにかく凄いんですけど、その歪んだ感情の強さが特異な力を覚醒させるのか。
あの異常女のカルラに対しても怯えた様子は見られず、常に自分のペースを崩さない辺りに強烈な危険性を感じてしまいます。終盤で男どもを言いくるめて『加護』を得ようとする動きが見られました。もしこの企みが成功したら……アリアとエレーナ早く帰って来てー!