SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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勇者刑に処す 懲罰勇者9004隊刑務記録III

[著者:ロケット商会/イラスト:めふぃすと/電撃の新文芸]

 第二王都からの魔王現象軍の進撃阻止防衛戦。

 ザイロが指揮官っぽい役をこなし、クセの強い懲罰勇者達の繋ぎ役も嫌々引き受けながら、最前線で魔王現象に闘いを仕掛けて突っ込んでゆく。

 全てが上手く回るような『潤滑油』的な役割、別の言い方すると非常に使い勝手と都合の良い人材、となるわけで今回も彼の並々ならぬ気苦労が最大限に感じられる内容でした。

 ほぼ制御不能な同胞達を必死でまとめ上げようとしているのは、そうしないと『あらゆる意味で自分自身が終わるから』が一番の理由なんでしょうけどね。

 ザイロって基本的には態度が劣悪でも“お人好し気質”なのは隠し切れてなくて、でもそう言う気質を他の懲罰勇者達も充分に理解しているからこそ、色々ごちゃごちゃ口出ししながらも信頼しているのかなあと。

 そんな風に思えたのは、今回もかなり後手後手の厳しい状況に陥りながら、土壇場での妙な“団結力”の発揮を強く感じたから、でしょうかね。

既刊感想:II