SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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転生少女の履歴書5

[著者:唐澤和希/イラスト:桑島黎音/ヒーロー文庫]

 『魔法を使えなかった者が使えるようになる』特殊性と、それが明るみに出る事で生じる可能性のある影響や危険性が、リョウの心に鋭く突き刺さる。

 今回、魔法が使える事をコウ母さんや近しい人に明かすか隠し続けるか、苦悩と葛藤を繰り返すリョウの様子が痛々しく見えてしまいました。

 明るみに出る事の危うさは重々承知で、それでも魔物から故郷ルビーフォルンの人達を救う為には、危険を冒してでも能力を振るわなければならない。この辺り、コウ母さんと意見のすれ違いで感情的に衝突してしまったのも辛い所でしたね。

 リョウの魔法に関しては、どうやら『生物魔法』と呼ばれる分類らしい。まだ詳細はハッキリと明かされていませんが、他の使用者が隠そうとする程だから、どうも正統な魔法とは異なるモノみたいで不穏さは増すばかりです。

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