SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

戦闘員、派遣します!4

[著者:暁なつめ/イラスト:カカオ・ランタン/角川スニーカー文庫]★★

戦闘員、派遣します!4 (角川スニーカー文庫)

戦闘員、派遣します!4 (角川スニーカー文庫)

 実は地球人類が生存の危機に瀕している状態で、
それなのに主人公達が地球外活動やってるせいで実
態が全く把握出来ない現状。いいんだろうか。そこ
を何とかする為に最大戦力として最高幹部のリリス
が派遣されて来たんじゃないのか。多分六号達の活
動目的を聞かされて、改めて忘れてた事に気付かさ
れるような、その程度の意欲しか持ち合わせてない
ような気もする。何となく現地に秘密が眠っている
かのような思わせ振り感もあるでのですが、その辺
りも適当に扱われっ放しな印象なんですよね~。
 完成する度に幾度も木っ端微塵にされたアジトも
何とか完成で一歩前進? これだけはリリスの功績
なのかな? とは言え先の展開は全く読めません。

既刊感想:

常敗将軍、また敗れる3

[著者:北条新九郎/イラスト:伊藤宗一/HJ文庫]★★

常敗将軍、また敗れる 3 (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる 3 (HJ文庫)

 戦争での立ち回りより、世継ぎ問題で荒れる中で
の政争に絡んでいる方が活き活きしているように見
える常敗将軍。気のせいだろうか? 振る舞いは常
に一定でブレる事は無く、それでも武力抗争の場よ
りは、今回みたく政治的な陰謀絡みで相手が嫌がり
そうな箇所を突く立ち回りの方がダーカスには向い
ている、もしくは得意とする所なのかも知れない。
 ふと、ダーカスの目的って何だろう? と考える
事があったりします。勿論受けた依頼を遂行する事
でしょうが、今はもしかしたら、弟子達の成長を促
す事こそが主な目的なのかなと。依頼を達成する事
さえもその為の手段に過ぎないのかなと。そんな風
にも見えましたが、実際の所はどうでしょうね。

既刊感想:

魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士

[著者:子子子子子子子/イラスト:伊吹のつ/HJ文庫]★★

魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士 (HJ文庫)

魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士 (HJ文庫)

 これまで晴栄が得て来た経験値の全てを糧にして
の総力戦。最初はティチュの救出、晴雄が黒幕的な
立ち位置で。ただ、晴栄対晴雄の兄弟対決の中盤頃
から、妙に晴雄がラスポスっぽくない雰囲気を出し
始めたと思ったら案の定。『奴』との戦いは陰陽師
の物語としてこれ以上なく相応しいものだったと思
います。章扉の文章などを眺めながら「こいつを完
全に滅するのは無理じゃないか?」とか思ったりも
しましたが、この辺りの『奴』の急所に『彼』を宛
がったのも、なかなかぐっと来る演出でしたよね。
 正直もっと見たい所は沢山あって、最終巻と言う
事で駆け足気味なのも勿体無いと感じましたが、そ
う思った事は全部あとがきで触れられていたので。

既刊感想:

夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去

[著者:園生凪/イラスト:黒田ヱリ/講談社ラノベ文庫]★★

夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去 (講談社ラノベ文庫)

夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去 (講談社ラノベ文庫)

 叶えられなかった夢を叶える為に見る夢。過去に
残した未練や後悔をやり直しの上で断ち切る為に体
験する夢。けれどもその実、直面する現実から大き
く目を背けたいが故の逃避。成功してから最初の内
はまだ何とも無かったのですが、徐々に告げられた
危険性がじわりと表面化して来るような感覚。颯の
日々の生活ぶりを眺めていて、いずれ夢に捕らわれ
てしまう、もしくは自分から夢への永住を望んでし
まうかも知れない、そんな危惧を抱いていました。
 夢への依存性が確実に増して行くに連れて、あま
り先を見たくない気持ちが強まってしまったりも。
結果的には背けていた筈の現実の繋がりがあったか
らこそ、颯はこの結末を迎える事が出来たのかな。

異世界誕生 2006

[著者:伊藤ヒロ/イラスト:やすも/講談社ラノベ文庫]★★★

異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)

異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)

 自分の死と引き換えに成し得た異世界転移転生に
おいて、現実世界に残された側がメインの物語は多
分他に見た事がない。『一方その頃……』的な途中
描写は見掛けたかも知れませんが、完全にこちら側
寄りなのは初めて。実際に誰かを亡くした側に立っ
てみれば、こんな風に“遺族が描いた妄想”と扱わ
れるのがごく自然な事にように見える。そう意識さ
せられながら、遺族の妄執や狂気と言った負の感情
に絶えず晒され続けるような、そんな印象でした。
 本来なら目に見えなくてもいい部分。大抵は異世
界の主人公に同調して行きたいと思うものだから。
そこを逆手にとって深く抉り込むように描き切る辺
り、「凄い!」以外の言葉が浮かびませんでした。