SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 3

[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼MF文庫J]★★

 そういや前回、初期の頃はなりをひそめていたロ
ーズの変態性が爆発したんでしたね。本性見えてい
ない内は、西野にとって単なる同業者、やや過剰な
好意を寄せられていて凄く鬱陶しそう、程度にしか
感じていなかったものですが。思えばその頃は表向
きはまともだったんだなあって。志水は何ておぞま
しいローズの本性を曝け出してくれたんでしょう。
 西野が何の説明もなく当たり前のように異能を行
使してたり銃や大型バイクの扱いに慣れていたりと
か、その辺は「そういうもんなんだな」って程度の
認識で大して気になるものでもなく、それよりもロ
ーズの暴走と彼女に狙われる西野が着実に逃げ場を
失いつつある様が強烈に印象に残る内容でした。

既刊感想:

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 2

[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼MF文庫J]★★

 現実社会で生きていると言うのに、ひとりだけ異
次元か異世界の時間を生きているかのような、相変
わらず周囲とのズレが異常な西野。しかし今回、最
後の最後、何時ものようにクラスからハブられ飲ん
だくれていた時の素顔を見た瞬間、ようやく僅かに
彼の気持ちと同調出来たような気がしました。まあ
ちょっとした苦い気持ちも、翌日には何事も無かっ
たかのように西野の日常を過ごしてそうですけど。
 前巻中途で終わった学園祭本番と後始末編。西野
の裏の顔が全く出なかった分だけ、クラスからの扱
いはともかく彼なりの青春気分は満喫していたよう
にも見えました。努力が報われていないのに全く気
付けず満足している所は、ある意味幸せなのかも。

既刊感想:

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~

[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼MF文庫J]★★

 こちらが感情移入しようとするのを、主人公であ
る西野にことごとく拒絶されているような感覚。他
の登場人物の誰とも住む世界が圧倒的に違っている
と言うのか、同じ世界を舞台にしていながら西野だ
けこことは違う世界の時間を生きている、それ程の
ズレが彼とその他の間に生じている印象でした。
 裏の顔で“仕事”をこなしても、表で学校生活と
女の子と青春を渇望して空回りしても、そのせいで
苛めの対象になった挙句に距離を置かれても、それ
が西野の場合、見ていても全てが「ふーん」の一言
で感想が終わってしまう。感情移入が拒まれている
と思うのは多分その辺りが原因で、今後西野が何を
どうしようと、そこだけは変わらない気がします。

ぼくたちのリメイク5 ぼくたちに足りないもの

[著者:木緒なち/イラスト:えれっとMF文庫J]★★

 再び10年前の2007年。以前のルートから変
わった事と言えば、11年後で出逢った美乃梨が居
る事と、貫之が居ない事。あとは、11年後へ寄り
道した恭也の新たなやり直し意識が芽生えた事。
 順風満帆ではないけれど、とりあえずこれまで通
りの芸大での創作活動メインの雰囲気に戻ったのか
なあ。創作意欲に対する異常な執着を見せる九路田
の危うさ、そこに意欲の上がらないシノアキを組み
込ませた事、何となく進捗具合が芳しくなく行き詰
まりを感じさせる恭也の創作チーム、など。致命的
な失敗は犯していないものの、何かもやもやする。
 まだ制作過程の段階なので焦りは禁物ですが、言
い知れないこの妙な不安は杞憂であって欲しい。

既刊感想:

ぼくたちのリメイク4 「いってらっしゃい」

[著者:木緒なち/イラスト:えれっとMF文庫J]★★★

 恭也ってすげえな、って思わず呟きが漏れるくら
い今回の恭也は凄かったです。いきなり未来へ放り
出された何も知らない状況に対する適応力た、成り
行きで巻き込まれた会社の危機を見事に立て直す対
応力。「僕のせいで周りの皆の未来を閉ざしてしま
った」と自分を責めながらも、よく挫折して腐らず
立ち止まることなく再び歩みを進められたなあと。
 時間跳躍に関しては色々と謎も多いですが、どう
も偶発的に起こっているものでもないらしく、少な
くともケーコさんの意思は介入しているようで。彼
女曰く「時間が経てば分かる」そうなので、とりあ
えずは“為すべき事”をこの未来で明確に掴み取っ
た恭也の過去の歩みを、再び見守る事にします。

既刊感想: