SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ライアー・ライアー 嘘つき転校生はイカサマチートちゃんとゲームを制するそうです。

[著者:久追遥希/イラスト:konomi(きのこのみ)/MF文庫J]★★

 星取りゲームの条件を眺めてみると、上位ランカ
ーほど不利な条件を強いられる事になる。例えば内
容を決めるのは相手、挑戦を受けたら絶対に回避出
来ない、など。一見して容易くランク変動が起こり
得そうな仕様、にもかかわらず頂点にして最高ラン
クの“7つ星”が学園島で常に一人しか存在しない
のは、それだけ特別な存在と言う事なのでしょう。
 そんな存在を偽って周囲を欺き続けなければなら
ない、正にムリゲー仕様。でも、緋呂斗は単なる適
正無しの雑魚キャラではなさそうで。まだ本質の片
鱗しか見せませんでしたが、レベル制限の壁で限ら
れた力しか使えないハンデを背負いつつ、姫路や更
紗達との共闘でどう切り抜けて行くか見物ですね。

罪人楽園

[著者:水城水城/イラスト:生煮え/MF文庫J]★★

罪人楽園 (MF文庫J)

罪人楽園 (MF文庫J)

 最初のウィルの心構えって「未練があるからちょ
っとだけ潜ってみよう……かな」みたいな、大分消
極的だった筈なのに、気付けば既に容易く後戻り出
来ないような場所まで潜り続けてましたね。今回の
作中で、地上に帰還する機会は幾度もあったのに、
結局一度も戻る事なく大迷窟に潜り続けていたのが
妙に印象に残りました。まあウィルもミザリーもオ
ーレリアも、食料の枯渇による空腹に悩まされる質
ではなさそうだし、戦闘力も優れているのでそれこ
そ目的達するまで潜り続けていられそうですが。
 深層を求める者と、半人半獣の友人と、重犯罪者
との協力体制。このまま地上の光を浴びる事なく、
新たな目的に向かい潜り続けて行くのでしょうか。

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 5

[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼MF文庫J]★★★

 変態さん大集合。いつもの事ながら。ただ今回は
殺伐とした裏家業の雰囲気が殆ど隠れていた為、表
向きは割と平穏で呑気な学校生活に戻ったなって印
象でした。ローズと西野の立場が“主人と奴隷”に
なったので、何か少しは関係性が変わるのかと思っ
てましたが、お互いに周りの空気を全く読まないマ
イペースぶりは大して変わってませんでしたね。
 西野自身が「助けになりたい」と思う相手に対し
て、本来はフォローやサポート能力がずば抜けてい
る筈なのに、学校内での評判や印象が最底辺なので
全く正当評価されない。それが不憫と感じる反面、
滑稽で面白いとも思わされる複雑さ。西野が精神的
ダメージゼロで楽しそうだから良いんですけど。

既刊感想:

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました4

[著者:ざっぽん/イラスト:やすも/角川スニーカー文庫]★★

 スローライフの雰囲気、更に遠ざかる。ただ、今
回ばかりは仕方ない。追い出した張本人が放ってお
いてくれないもんだから。かつての勇者パーティー
勢揃いで、レッドとアレスとルーティと、過去の因
縁に完全にケリをつけるような内容。スローライフ
を取り戻す為の戦い、みたいなものだったかな?
 アレスのルーティの中に存在する『勇者』に固執
していたのは、彼の性格による歪みも多分にあった
でしょうけど、魔族シサンダンにそそのかされてし
まった部分も悪影響を及ぼしていたのでしょうね。
 シサンダンの介入による横槍が無ければ……まあ
それでも『勇者』の性質に歪んだ執着を向けていた
以上、穏便には済まなかったと思いますけどね。

既刊感想:

日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神3

[著者:相野仁/イラスト:桑島黎音/角川スニーカー文庫]★★

 相変わらず日常でも全然さえてなくもおっさんぽ
く(外見内面含めて)もないんだけど……もうそろ
そろこのくだりはいいか。まあ今回は日常でのバル
としての活動がメインだったからか、「正体隠して
る時でも超有能じゃないか」と見せつけられた為、
改めてそんな風に思わされてしまったわけですね。
 そして相変わらず非日常である、『八神輝』バル
トロメウスとしての強さが圧倒的過ぎる。裏の顔の
出番がかなり絞られていたにもかかわらず、この存
在感ですよ。召喚された魔界の元帥級の実力者が赤
子同然の扱いって……結局バルが実力発揮した時点
で勝利確定となるので、あとは“どうやって相手を
料理するのか”に興味が向いてしまうんですよね。

既刊感想: