SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

好感度120%の北条さんは俺のためなら何でもしてくれるんだよな……2

[著者:本田セカイ/イラスト:もきゅ/角川スニーカー文庫]★★

 雅継が“見える”事に対しての言及は特に無かっ
たので、発現原因なんかは物凄く気になるんですけ
ど、もう“そう言うものだ”と捉えておいた方が良
さそうな感じです。まあ突然の発現に「何で発現し
たの?」と聞いた所で、雅継自身も知らないわけで
すから仕方なしですね。ただ、原因不明なだけに明
日にも消失してしまう可能性も孕んでいるわけで、
この“好感度可視化能力”については、もし機会が
あれば原因も含めてもっと詳しく知りたい所です。
 あと気になっていた、「北条さんの好感度だけが
何故120%なの?」について。どうやら水泳やっ
てた過去に何かあったらしいですが、この分だと暫
く北条さんの口から語られる事も無さそうですね。

既刊感想:

継母の連れ子が元カノだった2 たとえ恋人じゃなくたって

[著者:紙城境介/イラスト:たかやKi/角川スニーカー文庫]★★

 もう我慢せずによりを戻してしまえよ、と言いた
くなるような未練がましい言動の数々。水斗と結女、
双方共に。最初から分かってる事だけど、若気の至
りがなんたらかんたら、とか相手を意識してなきゃ
浮かばない台詞だよね~。しかし家族となって兄妹
(姉弟)となった事、ただそれが足枷となっている
だけではないような気も……。二人共に自分の本音
は分かっているのに、あえてそれを抑圧するような
態度を取ってしまうのは果たしてどんな心理故か。
 決して悪いって事ではないんですけどね。ただた
だもどかしい。いさなをけしかけるような行動を起
こしたのも、本心を直視したくなかったからなのか
なあとか。この身悶え、いつまで続くでしょうか。

既刊感想:

妹さえいればいい。12

[著者:平坂読/イラスト:カントク/ガガガ文庫]★★★

妹さえいればいい。 (12) (ガガガ文庫)

妹さえいればいい。 (12) (ガガガ文庫)

 表紙の見知らぬ二人は誰だ!? お前達かよ。当然
の如く前巻のラストを引き摺る形で伊月と那由多の
関係の行方がメインのお話。この二人と合わせて、
恋愛絡みで割と足踏みしていたような印象の幾人か
については、自分の中で決着を付ける見せ場もあり
ました。主な所ではアシュリーと京でしょうかね。
 途中で主人公気質なパーフェクト若手俳優なる青
年が登場しましたが、まあ那由多は絶対になびかな
いだろうと思ってたので、この好印象にはちょっと
焦りもあったかも。高科勇真さん、凄くいい人。
 終盤は本当に眺めていて温かさに癒される家族の
絆の一幕、そして悶々としていた伊月の感情の大爆
発。彼のこの姿を待っていた。これが見たかった。

既刊感想:1011

妹さえいればいい。11

[著者:平坂読/イラスト:カントク/ガガガ文庫]★★★

 フィクションの物語に登場する小説とは言え、こ
れだけの作品の企画を考えて作品紹介までこなすっ
て凄いなあって思います。それとも素人目には凄く
ても、プロ作家の企画立案数はこれよりもっとずっ
と多い……のかも? 作中で新人賞が挙がっていて
多く感じられましたが、それらも含めて「読んでみ
たい」と興味を引かせる内容なのがまた凄い所。
 あとは妙にイラストに気合入り過ぎな小説の帯の
案とか、特装版カードゲームの紹介だとか。伊月大
スランプの中で遊び過ぎだろ! と思いましたが面
白かったので「いいぞもっとやれ」となりました。
 気になっていた表紙の状況。作中で分かって嬉し
くなりました。幸せな家族団欒って素敵ですね。

既刊感想:10

編集長殺し5

[著者:川岸殴魚/イラスト:クロ/ガガガ文庫]★★

編集長殺し (5) (ガガガ文庫)

編集長殺し (5) (ガガガ文庫)

 公募作の第一次審査の下読み、新規イラストレー
ターの選別、作家の副業と時間の比重の置き方につ
いて、など。今回もまた、どれも現実にありそうだ
けどフィクションだと思っておいた方が無難な側面
もある、と言うバランス感覚が実に絶妙でした。
 しかしよもやの最終巻。確かにロリ編集長の素振
りがおかしいのはありましたけど。最後に栄転した
けどでも実は……で丸く収まるかと思ってたら、何
かホラーみたいな? 煮え切らないハッキリしない
オチだったし。あとがきで結構言葉濁した書き方し
てましたが、まだまだ用意してたネタはあったのに
……的な悔いが滲み出ていて切ない。せめて川田の
編集者としての成長が見られて良かったのかな。

既刊感想: