SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

神々に育てられしもの、最強となる4

[著者:羽田遼亮/イラスト:fame/富士見ファンタジア文庫]★★

本来の目的は先送りで、寄り道が本道に
 ルナマリアの師匠・フローラに逢いに行く旅のお話……に、なるはずだった所、ちょっとの寄り道が大分逸れた本筋になってしまったお話。結果的にはウィルが『見聞を広げる』糧となるような展開でした(ちなみにフローラまでは結局辿り着けず)。

 育ての親(神々)の介入、今回はヴァンダル父さん編。彼の過去の一端が知れた事は、新たな発見だったのかな。まだまだ色々気になる。まあ、息子のウィルにもそんなに多くは語らずでしたけど。

 そして、次こそはルナマリアの里帰りがメインになるのか。それともウィルの事が目ざわりなゾディアック教団の横槍が入るのか。何にしても、師匠のフローラとは早く再会させてあげたいですよね。

既刊感想:

たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。2

[著者:藍藤唯/イラスト:霜降/富士見ファンタジア文庫]★★

『奸雄』=悪知恵に長けた英雄=王女殿下の『職業』
 「王女殿下の職業能力、恐るべし」。この着地点、この決着を、最初から想定して動いていたのだとしたら、こんな風に賞賛するしかないですよね。

 途中まで、正直話の中で何がどう動いているのか、ハッキリしませんでした。そこから、ライラックの成し遂げようとしていた事が判明した時点で、全てを把握出来るような仕組みで描かれている。鮮やか過ぎる手並で、溜息が漏れるばかりでした。

 『職業至上主義の破壊』、『法国との同盟拒否』を目的として掲げていたライラック。しかし、本人は認めなくとも、真の目的は『コローナの奪還』であったと。そう思いたいし、そうであって欲しい。 

既刊感想:

異世界で最強の装備は、全裸でした どうか私に全裸を教えてくださいっ! 全裸でなく《世界》だ!

[著者:初美陽一/イラスト:Xe/富士見ファンタジア文庫]★★

マントを広げたら、そこには全裸
 衣服を着ずに《世界》を着る=『全裸』って発想が凄いです。意味不明過ぎて。これで全属性を扱う最強能力持ちとか、一体どんな原理なんでしょうね。とにかく「振り切ってんなあ」って印象でした。

 想像してたのはエロコメ要素メイン。でも、実際にはあんまり強調してなかったですね。意外。ヒロイン達の『全裸願望』とかは、面白さの武器に成り得そうだったんですけど。肌色露出も割と控え目。

 ただ、潜在的な『変人』『変態』気質は、特に強調して描かれている。主にヒロイン達。「誰かこいつ止めろ」的レベルで。そう言う見せ方が一番の面白味だったかなあ。この中では、『全裸』が強調されているナクトが、実は最も常識人なのかも。

魔王が如く 絶対強者の極道魔王、正体を隠して学園を極める

[著者:なめこ印/イラスト:富岡二郎/富士見ファンタジア文庫]★★

二代目魔王は目立たず過ごしたい
 『魔王』+『極道の組長』+『任侠』+『学園ラブコメ』。人間と魔族が共存していて、魔法の存在が日常と共にあって……みたいな世界観。その中で、能ある鷹が爪を隠して日々を過ごして行きます。

 オーマの雰囲気は、基本『静寂』とか『無風』な印象。感情が読み難いけれど、無関心、無感動とはちょっと違う。オーマに対して好意的な人は、そこに気付けている。多くは黙して語らず。でも、人柄や雰囲気で『本当に理解してくれる人』には好かれている。この辺りの内面の魅力の描き方、良いですよね。

人生∞周目(インフィニティ)の精霊使い 無限の歴史で修行した元・凡人は世界を覆す

[著者:師走トオル/イラスト:ミユキルリア/富士見ファンタジア文庫]★★

無限のやり直しの果てに待っていたもの
 最初の頃から、既に『過去に戻ってやり直し』と『強くなってニューゲーム』の無限パターンを確立させている。まさにタイトル通り。あとは召喚術を極める為に、気の遠くなるような歳月を同パターンで繰り返して行く。かなり速い展開に感じました。

 その展開の速さ、実はラスト付近で「そう言う事か」と納得させられました。度々引っ掛かっていた、『因果律が影響しない』部分に関しても「成る程ね」と。これだけの長い時間を経て、ようやく『本番』を語る準備が整った、と言う感じですね。

 召喚術を極める所から、大切な人達を護る為に、とジレッドの意志は変化して行く。そんな中、現状対処方法不明の危機に、彼はどう立ち向かって行くのか。