SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦 ~愛弟子サヨナはぷにぷに天国DX仕様~

[著者:有象利路/イラスト:かれい/電撃文庫]

賢勇者よ、永遠に
 凄く大好きなんだけど、毎話毎話「大丈夫か?」って思わされる。一巻からずっと、『ここで全てを出し尽くして燃え尽きる!』みたいに燃料投下してるので。生き急いで寿命を縮めてるような感じ。

 今回は紛れもなく『最終巻』って事らしく(本当?)。前巻以上に無茶苦茶やりたい放題やってました。さすがにこれ以上(以下)は無いだろ、ってくらい限界ギリギリを軽々突破してやがりました。

 まともに見えたのは、シコルスキの幼少期と幼馴染の事を語ってた時くらいで(とは言っても人物は変態揃いだし)。王無砲流とガ〇ガ文庫編集部転移のやつは特にヤバかった。でも、ここら辺がこの物語らしさが一番出ていたな、とも思いましたね。

既刊感想:

豚のレバーは加熱しろ(3回目)

[著者:逆井卓馬/イラスト:遠坂あさぎ/電撃文庫]

手を取り合って欲しいと願いを託して
 お、重てえ……。国の情勢の安定の為に非情に徹する王族、そのせいで虐げられ犠牲になって来たイェスマ、そして近しい人がイェスマである反逆者達。分かり合うには互いの間の溝が深過ぎるので、本当に難しくて厳しい問題だと思い知らされました。

 マーキス王が暴君と化しつつあったので、最も滅すべきは彼か? と言う展開が終盤にありましたが……この結末はもう本当に、茫然自失で言葉にならない程で。どう反応したらいいのか分からない。

 でも、彼の行為が報われた事だけは唯一の救いでした。前巻から続いて来た問題は、これて一旦の収束を見たので。あとは豚の行方か。ジェスとの縁は切れないと思いますが、どうなるでしょうね。

既刊感想:

豚のレバーは加熱しろ(2回目)

[著者:逆井卓馬/イラスト:遠坂あさぎ/電撃文庫]

ブヒブヒ言ってるコメディなノリじゃなかった
 豚の転移仲間、他にも居たんだ。と言うか、よくこの少数人数が巡り合えたな。そんで、よく示し合わせて意識的に狙って再転移出来たな。何気にこいつら凄くない? と、言うわけで。愛しのジェスと再会したい為、2回目の異世界豚生活スタート。

 で、ふたを開けてみたら、結構などシリアス展開じゃないですか。しかも、王族、奴隷達、侵略勢力が複雑に絡み合った抗争展開。豚、場違い感半端ないはずなのに、意外と重要な立場に食い込んでる。

 王族とイェスマの関係は、かなり難しい問題で、奥深く描かれている。解放者に肩入れしたいとこですけど、王族のイーヴェス王やシュラヴィスには良心も感じられるので、この辺複雑な心境ですよね。

既刊感想:

ソードアート・オンライン25 ユナイタル・リングIV

[著者:川原礫/イラスト:abec/電撃文庫]

同時進行、どう交わりを見せる?
 ムタシーナ=神邑樒でしょ? じゃなければ一体貴女誰ですか? 的な、思わせ振りの匂わせ振り。重要な役どころで、更にアスナと浅からぬ因縁がありそうな雰囲気ですけどね。これ、ある程度の正体が判明するまでは、ずっと気にしてしまいそう。

 ユナイタル・リング、アンダーワールドの同時並行展開は続く。色々と仕掛けは用意しているらしいですが、全然交わりの予兆も無いので、とにかく今は『待ち』の段階。かなり大掛かりで壮大な展開になりつつある。これは相当事情が複雑に入り組んでるんだろうなあ、って予感もあります。焦らされていますが、大きく動く事に期待したいですね。

既刊感想:『ソードアート・オンライン』感想一覧

雪の名前はカレンシリーズ

[著者:鏡征爾/イラスト:Enji/講談社ラノベ文庫]

『僕』は誰だ?
 「設定とか話の内容とか、実はあんまりよく分かってないんだけど、とにかく物凄そうな世界観」って手応え。理解が及ばずとも、『雰囲気』で強く引き込むタイプの物語だと思ったので、その位の捉え方でいいのかなあ、と言う感じで読んでました。

 まあでも、やっぱり「難解だな」って印象は終始抱いていました。説明的な描写が多めになっても構わないので、もっとずらずらっと設定語りを盛り込んで欲しかったな、って気持ちもありましたね。

 終盤の頃に、オリガミやカレンがやっている事(世界にやらされている事)が判明します。それまで溜め込んだ疑問が一挙に解けます。エピローグ直前のこの辺りの描写が、最も印象に残りました。