[著者:古流望/イラスト:珠梨やすゆき/TOブックス]
この物語で「うわぁ……」って血の気が引く状況を味わったのは、多分今回が初めての事でした。
モルテールン家と深い縁ののある領家が絡んだ『戦争』だったので、そりゃあ犠牲者なしでは済まないだろうと見ていました。でも、まさかペイスの近しい人にまで被害が及ぶとは全く思ってなくて。
いやしかし、今回ほど『転移魔法』とペイス秘匿の『転写能力』のありがたみを心の底から感じた事はなかったです。レーテシュ伯の出産の影響で、その後のモルテールン家の容体がハッキリと書かれていなかったのは気になる所ですが……大丈夫だよね?(と信じたい)。
自身の能力と知能を最大限に活用し、やられたら『数倍返し』な報復を見事に成し遂げてみせたペイスはさすがの一言。レーテシュ伯への贈り物に『お菓子にまつわる物語』を絡めて見せた所も、相変わらずペイスらしい演出だったなと。