[著者:古流望/イラスト:珠梨やすゆき/TOブックス]
意表を突く『少年探偵ペイス』的な初っ端の展開。とは言え、謎解きは手軽なものだし、そもそも『推理からの謎解きで事件解決!』がペイスにとって“本題ではない”ので。
モルテールン家を害する存在をあぶり出す為、先の先まで見通しての立ち回りは、感心を通り越してえげつないとドン引きする程。
たとえモルテールン家に敵意を持つ存在が仕掛けて来ても、ペイス自身の戦闘能力も常人離れしてるのだから、そりゃもう安心安全で見ていられるってもんです。
後半は冬季の更なる領地改革の話へと進んで行く展開に。お菓子作りは控え目でしたが、他者の悩み(主に恋の病)に、お菓子の由来を語って食べさせて痛みを和らげている辺り、ペイスらしいなあって一幕でした。