SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

白翼のポラリスII

[著者:阿部藍樹/イラスト:やすも/講談社ラノベ文庫]★★

白翼のポラリス2 (講談社ラノベ文庫)

白翼のポラリス2 (講談社ラノベ文庫)

 これまで謎に包まれていた北方大国ボレアスにつ
いて色々と。船国にとっては侵略者っぽいイメージ
がありましたが、実際にはボレアスは一枚岩ではな
くて、何となく成り行きで大国のお家騒動に巻き込
まれてしまったシエル達、みたいな印象でした。
 あとはシエルの父親との再会。これは、シエルに
とってどこまで飛んでも手の届かない果てしなく遠
い存在のように思っていたせいか、割とあっさり再
会出来たのがちょっと意外な感じで。ただ、あまり
親子の触れ合いと言う雰囲気はなく、あくまでボレ
アス軍人とスワローの関係での接し方でしたが。
 次はボレアスが舞台となりそうで、色々新事実が
見えそうな予感もあるので、続いて欲しいですね。

既刊感想:

魔術破りのリベンジ・マギア 5.救世の屍王と恩讐の行方

[著者:子子子子子子子/イラスト:伊吹のつ/HJ文庫]★★

魔術破りのリベンジ・マギア 5.救世の屍王と恩讐の行方 (HJ文庫)

魔術破りのリベンジ・マギア 5.救世の屍王と恩讐の行方 (HJ文庫)

 鴨女の両親の仇討ち。最初の回想や話を聞いただ
けの段階では、話の全く通じない狂気の思想を持っ
たヤバい奴ってイメージでしたが。その仇であるフ
ー・マンチューの本質が明らかになるに連れて、単
なる“仇敵”や“悪”とは断じ切れない部分も見え
たりして。終盤で晴栄達に追い詰められ、リンタン
を前にして本音を吐露した辺りは、鴨女の仇とは言
えちょっと複雑な気持ちになってしまいました。
 改めて“救えないなら全部壊そう”を一人で抱え
るには危険過ぎる思想で、更には自分だけで達成出
来ると疑問にも思わず信じていた時点で、取り返し
は付かなくなっていたのかも知れません。せめて最
愛の人と逝けた事だけは救いになったのかなと。

既刊感想:

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 8.遺された希望

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]★★

 レイの転職がメインかと思ってたらそうでもなく
て、こちらは割とあっさり目的達成。本題は王国と
皇国の中間地点に発生した遺跡に眠る過去の遺物。
 この件について。どの立場の人物がどんな意図で
動いているのか、その辺りの詳細を伏せるような描
写が目立ったせいか、ちょっと動きが把握し辛くて
途中もやもやしてしまいました。もっとも、終盤で
特に皇国側の動きや思惑は一気に見えるようになっ
たので、そのもやもやも大分解消されましたが。
 色々開示されて、主に皇国の圧倒的戦力が明るみ
に出た感じで、「あ、これカルチェラタン領終わっ
た」ってなりました。目覚めの近い遺物と、まだ見
ぬレイの難儀な能力がどう戦況に変化を及ぼすか。

既刊感想:

魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。2

[著者:かじいたかし/イラスト:ふーみ/HJ文庫]★★

 自称、イザヤの『昔の女』登場。後から当時の真
相を種明かしされたら「どうせそんな事だろうとは
思ってた」ってなりましたけどね。過去の事は聞い
た限りの事しか分かってませんが、少なくとも常に
単独行動で他人に興味ゼロだったイザヤが「色恋沙
汰? ないない」ってなるのが当然でしょうし。
 そんなわけで、勘違いを突き付けられても後には
引けないロゼと、単に魔力供給をして貰っている以
上の関係になりつつあるヨメと、あとは首突っ込ん
だが故に巻き込まれたマリーとのイザヤ争奪戦。前
と比較して魔力供給シーンのいちゃいちゃがちと少
な目かつ弱いかなと思ったりもしましたが、結局最
後でしっかり不足分を取り戻してくれていました。

既刊感想:

チアーズ!3

[著者:赤松中学/イラスト:こぶいちMF文庫J]★★★

チアーズ!3 (MF文庫J)

チアーズ!3 (MF文庫J)

 チアリーディング部の女の子達が主役の物語なが
ら、何処か少年漫画的な熱いノリを彷彿とさせる展
開。まだチア競技参加の為に必要なメンバー7人が
揃っていないので、そもそもチア競技としてスター
トラインにも立てていない状況ですが、その前段階
の仲間集めが紆余曲折あって面白いんですよね。
 最後の7人目、ライバルチームからの転入、他の
メンバー達と噛み合わず、チーム成立が難航。ここ
から皆が“チームの一員になって欲しい”と言う情
熱をぶつけて、7人目の阿実の頑なな心に変化を生
じさせて行く……この流れが実に良いもので、特に
リエの嫌らしい提案を突っ撥ねて自分の気持ちに従
ってチアーズを選択した阿実の姿が印象的でした。

既刊感想: