SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

本能寺から始める信長との天下統一2

[著者:常陸之介寛浩/イラスト:茨乃/オーバーラップ文庫]★★

信長の権力を盾にして
 真琴に対してちょっと嫌な言い方になりますが、現状『織田信長の威光に護られているだけ』の存在に見えてしまう。ただ、この時代において、『超有益な情報』を真琴が提供しているのは事実であり、後ろ盾になってもらうだけの恩恵をもたらしている事も間違いないんですよね。

真琴の持ち味とは
 そこは真琴も自覚していて、信長の後ろ盾を失った時の『もしも』をしっかりと想定して動けている。特に突出した能力が発現したわけでなく、史実の知識と元の世界の日常生活知識程度しか持ち合わせていない割に、随所で立ち回りの巧さが見られる。どの局面でも、あまり違和感なく想定通りに馴染める辺りが真琴の強みなのかも知れませんね。

既刊感想:

ありふれた職業で世界最強11

[著者:白米良/イラスト:たかやKi/オーバーラップ文庫]★★★

かつてない絶望感
 シリーズ史上最も絶望の淵に追い込まれる展開でした。これまでは、何があっても常に「ハジメならどうにでもなる」空気感でしたが、それが今回初めて揺らぎました。真の絶望は、神エヒトの一方的な蹂躙……ではなくて、その後に『ハジメが完璧に闇落ちしかけた』事。大事な人達の、闇から引き上げてくれる『強さ』が無ければ一体どうなっていた事か。支えてくれる力強さを実感させられましたね。

普段通りの空気感で
 前半から中盤にかけて、色んなものが「グワーッ!」と押し寄せて来るような展開で、めちゃくちゃ惹き込まれました。その後は割と通常通りな感じで、良い雰囲気のまま最終決戦へ。この底から沸き上がる高揚感が堪らないですね。続きが楽しみ過ぎる。

既刊感想:10
     零
     小篇集

僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場

[著者:赤城大空/イラスト:タジマ粒子/ガガガ文庫]★★

お姉さんの甘やかしと無能無職の成り上がり
 『最強』達が無能無職な主人公クロスの師匠になるまで、思ってたより結構時間が掛かってました。年下少年を女師匠達が取り合っていちゃいちゃ、って雰囲気がメインでは無かったです意外にも。無能少年の成り上がり、みたいな色が強かったでしょうかね。ただ、実はクロスに潜在能力が眠っていた……ではなく、何か謎の外的要因によって『強くさせられた』みたいな感じで。強固に隠匿されていたようなので、その正体についてはまだ不明点も多い。

急速成長の源
 クロス自身の潜在能力とは違う類のものらしいので、覚醒しても素直に「すげぇ」と受け留められないもやもや感が残る。むしろ成長速度の異常性に危機感を覚える程で。この辺り気になりますよね。

コワモテの巨人くんはフラグだけはたてるんです。3

[著者:十本スイ/イラスト:U35/ガガガ文庫]★★

生徒会長の魅力全開
 今回は丸々ガッツリと紗依の為のエピソード。彼女の性格と立場上、悟老に絡みたくても気軽に絡めず、ももりや糸那と比べて出遅れていた感はありましたが、一気に巻き返して来ました。それどころか、悟老と母親の真雪が紗依の家族と懇意になった為、親密度が爆上がりして、他の女の子達をぶち抜いてしまったような雰囲気もありましたよね。

穏やかな現状維持か、心境変化の進展か
 僅かながらも、悟老は紗依の事を意識していた……のか? うーん、微妙な所。もしかしたら他の女の子達の事も含め、『現状維持』の方が波風立たず平穏なままでいられるのかも知れない。でも、それだと悟老への想いが宙に浮いたままになるので、やっぱり進展して欲しい気持ちの方が強いかなあ。

既刊感想:

コワモテの巨人くんはフラグだけはたてるんです。2

[著者:十本スイ/イラスト:U35/ガガガ文庫]★★

小さな体に巨人の心を持った友達
 悟老のクラスメイトの虎大にフラグが立った。まあ男子なんですけどねー。本来なら今回は糸那のフラグも立った筈なのに、悟老に『気軽に話せる同性の友達』が出来た事の方が印象強くて、そっちがより目立っていたような感じでした。見た目は正反対ながら、置かれている立場や考え方、あとは行動の起こし方みたいなものがとてもよく似ている。今回の件を経て、あまりピンと来なかった悟老にも、『友達付き合い』の感覚が掴めたんじゃないかな?

まだまだ双方向にはなりません
 現状の悟老って、そもそも鈍感以前の問題として恋愛感情を知らない。まずそこの『目覚め』からなんですよね。まだびくともしない。ヒロイン達の誰がその一番手になるのか、注目して行きたい所です。

既刊感想: