SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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佐々木とピーちゃん4 異能力者と魔法少女がデスゲーム勢を巻き込んで喧嘩を始めました ~並びに巨大怪獣が日本来訪のお知らせ~

[著者:ぶんころり/イラスト:カントク/MF文庫J]

 佐々木を取り巻く女子たちの顔合わせ。一部、命の危険性すら感じられるギスギスした空気に息が詰まる。それなのに佐々木よ、お前はなぜそんなに他人事のような視線を向けているんだよ、とかツッコミたくなるほどの異様な状況。相変わらずこの男は余程の事では動じないと言うか、少なくとも内心で焦っていたとしても、外側には全然それを見せない余裕ぶりがあるんですよね。

 そんな佐々木を横目に、少女たちはそれぞれの複雑で面倒臭い事情を抱えながら、どう動くべきかと様子を伺い合っている。彼女たち、どうも『佐々木の好意』を意識してにらみ合ってる風でもあり、ただ佐々木自身がさっぱり意識していない所で噛み合わない空気も感じられてしまう。そこが変な感じで面白いと思うのか、あるいは残念な空気感だと思うのか、とても微妙な所なんですよねえ。

 異世界と現実世界、今回は現実世界な佐々木成分が多め。ただし相手にするのは『異世界生物』。もう「どうやって事実隠ぺいしてんの?」と異世界バレの危機を心配するほど、現実に異世界成分が浸透し始めている気がします。どんどん勢力関係は複雑になり、また現実でも異世界でも面倒事は次々に起こり、佐々木の身にも直接的に面倒事が振り掛かる。まあそれでも、どこまで行っても(表向きは)余裕ぶっこきな態勢は崩れないんだと思います。と言うか、佐々木は常にそうであって欲しいなと。

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