SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ドラキュラやきん!2

[著者:和ヶ原聡司/イラスト:有坂あこ/電撃文庫]

吸血鬼に女難の相
 新ヒロイン・梁詩澪に対するファントム疑惑、黒か白か問題。とりあえず香水の匂いがあからさまだし、真っ白なわけはないんですが。とは言え極端な方向にも偏ってはおらず、吸血鬼とはまた別種の複雑な事情を抱えた『外来種』って感じでしたかね。

 前巻から引き続き、由良が追う『親』である愛花の件は、今回で一旦終幕。由良の状況は何も変わってないし、新たにアイリスと愛花との因縁も浮上したので、いずれ再会と再戦もあるでしょう。

 この幕切れの雰囲気だと、次辺りは詩澪がもっとグイグイ迫って来そうな予感。で、アイリスがやきもき、由良が板挟みで精神的苦痛。までは見えた。

既刊感想:

神角技巧と11人の破壊者 中 創造の章

[著者:鎌池和馬/イラスト:田畑壽之/電撃文庫]

11人目を追い掛けて
 神角技巧VS神角技巧、所持者VS所持者。新たな神角技巧のお披露目、巨大物質との戦い。特に今回は、次々と対峙する神角技巧と所有者達による、ど派手なバトルが大きな盛り上がりを見せてくれました。

 最大の謎である、物質爆弾の仕掛け人と11人目の正体。「怪しい」と目を付けた相手が、ことごとく「やっぱ違うな」で、結局まだ掴めず。ラスボスっぽい老人か、それともまだ見ぬ神角技巧所有者の誰かか、それとも……。誰であっても不思議じゃない。これまでで否定ざれた人物が、「やっぱり11人目だった」となる可能性も充分にあり得ると思う。

既刊感想:

声優ラジオのウラオモテ#04 夕陽とやすみは力になりたい?

[著者:二月公/イラスト:さばみぞれ/電撃文庫]

仲良し大作戦(おえっ)←二人の心の声
 由美子と千佳みたく素で仲悪そうな印象のラジオ喋りを、もしも現実で聴いたとしたら。それは確かにリスナー離れを招きそう。二人の『本音の付き合い』なんて、関係者以外知るわけ無いですからね。

 今回の件で、少なくともリスナーの皆には周知されたのかな? されてるといいな。どっちも『超クソ面倒臭いツンデレ気質』な喧嘩絡みである事を。

 DVD特典や新コーナーでは、まだ手応えは充分でないみたいですが。表でいがみ合っていても、心の底では互いに意識し合い認め合っている。その事は、ファンには充分伝わってくれたんじゃないかな。

既刊感想:

86―エイティシックス―Ep.9 ―ヴァルキリィ・ハズ・ランデッド―

[著者:安里アサト/イラスト:しらび/電撃文庫]★

戦いを終わらせる為の戦いへ
 まるで、鏡の中に映し出された『過去の自分達の姿』を見せられていたかのよう。聖教国との共闘戦線……かと思いきや、えげつないのもを突き付けられましたね。最初から何か裏がありそうな含みはありましたけど。レギオンとは別種の『人の脅威』。

 前巻から引き摺った、セオの件とクレナの事。支えてあげられる人達がしっかりと支え、苦しみ悩み抜いて痛みを克服して行く。今回の戦闘の中で最も見たいと思い描いていたのが、終盤のクレナの決意の一撃。絶対に決めてくれるだろうと確信は得ていましたが、やっぱり最高のワンシーンでしたね。

既刊感想:

遥かなる月と僕たち人類のダイアログ

[著者:深雪深雪/イラスト:桜河ゆう/講談社ラノベ文庫]

好きになった相手に死を与える
 凌香に掛けられた『呪い』について。明確な『死』が絡むとなると、彼女と深く関わる涼間の身にも相当危険が及ぶ事になり、重く陰惨な状況が連鎖して行く展開になるのでは……と身構えていました。

 実際には、そう言った血に塗れるような方向性ではなくて。死に対しても蘇生の救済措置があって、呪いの事も含め『超常現象』の類、でしょうかね。事実として起こっているけれど、到底受け入れ難く、でも認めざるを得ない、みたいな手応えでした。