SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

リアデイルの大地にて2

[著者:Ceez/イラスト:てんまそ/ファミ通文庫(B6判)]

 ケーナ以外の、リアデイルのゲームプレイヤーの転生者と出逢う。でも、ケーナはその際もマイペースで、「ふーん、そっかー」なノリだったんですよね。それ程重要ごとではないのか?

 いや、読んでるこっちは結構な驚きでしたけどね。「何故?」の疑問が付きまとったり。でもケーナって、事実としては受け留めても、あまり疑問を抱かないし、深く追求しようともしないんですよね。

 性格的なものなのか、今を生きる事に充実を感じていて、過去を振り返る事を必要としていないのか。今の所、探った所で大きな変化も起こらなさそうな雰囲気なので、とりあえずケーナ以外の『転生者の存在』を頭の片隅でも覚えておけばいいのかも。

 あとは、辺境の村に身を落ちつけながら、『守護者の塔』探索がケーナの主な目的となって行きそう。彼女が何を思い、その行動を起こしているのか。

 200年の空白を知る為か、かつての仲間を求めてか、ほかに何か思う所があるのか、逆に深い考えはなく気ままななりゆき任せなのか。あまり個人的な内面を見せないので、深い所までは覗けませんでした。

既刊感想:

リアデイルの大地にて

[著者:Ceez/イラスト:てんまそ/ファミ通文庫(B6判)]

 前から気になっていたのと、アニメ化発表されたのとで興味が増して、読んでみたくなりました。

 簡潔に言うと、プレイしていたオンラインゲームの世界に転生、な物語。身体が動かせない入院生活が続いた主人公・各務桂菜が、不慮の停電事故で生命維持装置が停止、そのまま帰らぬ人に……

 ……なったはずが、生前散々プレイし尽くしたゲーム『リアデイル』の世界に転生。しかも、ゲーム内から200年後の世界を生きる事になってしまう。

 元々の最高レベルの強さを引き継いでの転生で、私TUEEEと無双の要素はかなり強めかなと感じました。ただ、女性主人公のケーナは、のんびりマイペースな生活寄りなので、本人は無自覚に強さを振りまきながら、どこかスローライフっぽい雰囲気もあったかなと思いました。

 で、ケーナの行動を眺めていて、とりあえず思ったのが「考えなしに目立ち過ぎじゃねえかなあ」と。変な輩に目を付けられトラブルに巻き込まれるのでは……と、結構気が気じゃなかったです。

 でもまあ、ケーナ自身あまり存在を隠す気もなさそうなので、問題無いのかな? そもそも圧倒的に強いし。200年後の今の一般常識が欠けている所が唯一の不安材料かも。

 現在のケーナの目的は……何でしょうね? とりあえず、かつての仲間の『試練の象徴』を巡る旅が中心となりそう。そこに触れて、更にケーナが何を為すべきか、と話は進んで行くのでしょうかね。

本能寺から始める信長との天下統一6

[著者:常陸之介寛浩/イラスト:茨乃/オーバーラップ文庫]

 戦争の火種が発生しても、瞬時に鎮火される。信長の後ろ盾があって、暗殺隠密に長けた臣下もいて、さらに真琴自身がそもそも常人離れした強さを持っている。

 国内はもう、完全に信長統一の安定期に入っている。この点を見ても、史実とは異なる、真琴が存在している歴史として確立されたんだなと、改めて思わされました。

 良し悪しは別として、合戦でドンパチな派手で目を引く展開ではない。どちらかと言えば、発展を積み重ねる段階の地味さが勝っている。でも、こういう展開は、パッと目を引く『華』はなくても、じんわり染み込むように手応えが伝わって来ます。

 今回は、未開拓の地・樺太への遠征と農地開拓。相変わらず、どこへ行ってもフラグ立てて側室ゲットな真琴には、もう笑うしかない。

 もっとも、側室・懐妊・出産・跡継ぎの話は、結構多めに描かれていたので、真琴の行為が望まれているのも確かなようです。一部の側室達には複雑な所かも知れませんけどね。

 次巻は樺太編の後編。今期は実らなかった作物、次で巻き返しの開拓なるか? 真琴が考えている、寒冷期対策の取り組みなども、来春の樺太遠征で描かれて行きそうです。

既刊感想:

『ショップ』スキルさえあれば、ダンジョン化した世界でも楽勝だ3 ~迫害された少年の最強ざまぁライフ~

[著者:十本スイ/イラスト:夜ノみつき/ダッシュエックス文庫]

 変身アイテムでいくつもの『顔』を使い分ける主人公。徐々に元の人格と名前が分からなくなりつつある問題。ちなみに主人格は坊地比呂、高校生です。

 いや、物語中では何ら問題ないんですけどね。読んでるこっちが、比呂の複数人格の使い分けでふと「元の人格ってどんなだっけ?」と疑問に思っただけの事。

 比呂自身は、使い分けにもかなり慣れて来た様子で、あんまり人格についてどうこうは問題にしていないみたいです。自身の利益が第一であり、そこに支障が生じない限りは、人格使い分けを最大限に利用して行くような感じで。

 今回も、ざまぁ案件は充実してました。どうしようもないクズを描くのと、それを完全に叩き潰す展開を描くのが巧いですね。展開は割と先読みしやすいですが、クズに同情する余地が一切ないのでスカッとさせてもらえます。

 ただ、ここしばらくは、あくまで『依頼を受けて誰かを助力する立ち位置』なんですよね。なので、比呂自身の事情を含めた話をもっと見たいかなあ、とちょっと思ったりもしました。

既刊感想:

転生王女と天才令嬢の魔法革命4

[著者:鴉ぴえろ/イラスト:きさらぎゆり/富士見ファンタジア文庫]

 アニスとユフィ、イリアとレイニ。同性同士のカップル成立で、百合増量な方向で行くんかなあ、と思いつつ眺めてました。

 まあアニスとユフィには元々その兆しはあったし、恋人以外でも魔力供給による深い関係性もあるので、驚く事ではないですけどね。むしろそれが当たり前で通常でしっくりくる、みたいな。

 今回は、アニスと敵対関係の因縁があった、魔法省とのやりとりが主な内容。魔法に馴染み過ぎたが故に、魔学を受け入れられない貴族階級の魔法省の人たち。一方で、魔法省に魔学を認めてもらい、和解して手を取り合っていきたいと思うアニス。

 過去の関係からなかなか歩み寄れず、それでも確実に変わりゆくある環境の中で、手を取り合う必要性も感じている。魔法省のラングの心の葛藤は、特に印象に残るものでした。

 魔学を認めてもらい、その上で魔法との両立、共に活かして発展につなげる道を歩み始めたアニスとユフィ。ひとつの転換点を越えた二人に、果たしてこの先どんな展開が用意されているでしょうか。

既刊感想: