SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…3

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 誘拐犯も無自覚にたらし込む! またしても、カタリナの天性の人たらしの凄さを見せ付けられました。自然な流れで、『自分の懐に引き摺り込んで行く』って言うんでしょうか。凄過ぎましたね。

 ふと、これまでのカタリナの『人多たらし歴』を思い返してみました。それで分かったのは、精神的な苦痛を抱えていて、潜在的に誰かに助けを強く求めている、そんな人を救済しまくっていると言う事。

 今回のルーフィスもそうでした。多分カタリナは、救われたい誰かの心の叫びを(無意識)の察知して、人の本質を見抜く力に長けているんじゃないかなと思います。最初から性根が腐り切った相手には、人をたらす態度は取らないんじゃないかなと。

 あと気になったのは、ジオルドとアランが絡んだ王位継承騒動の件。見ている限りでは、兄弟関係は良好みたいなので、ちょっと安心したかな。今後物語に大きく絡むかは分かりませんが、正々堂々と『資質』で競い合う関係であって欲しいですね。 

既刊感想:

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…2

[著者:山口悟/イラスト:ひだかなみ/一迅社文庫アイリス]

 「無自覚で鈍感な“人たらし”って、なんて罪な事だろう……」って、カタリナの様子を見ていて、改めてしみじみと思い知らされました。

 ここまで全方位からビシバシ好意感情ぶつけられているのに、一切気付いてないんだもんなあ。乙女ゲーム内のカタリナの『悪役令嬢』の悪役ぶりって、どんだけ酷かったんだよ……と思わされました。

 この固定観念が抜けない限り、近しい人達の気持ちに気付けなければ、彼女自身が恋愛感情すら抱けないかも知れない、という危機感。

 今は破滅を回避するのに頭が一杯ですが、『自分は極悪令嬢』と言う諦めにも似た強固な思い込みは、変わって行って欲しいですよね。

 今回のラストが、“もしゲームだったら”ここでエンディングです。良くも悪くもなく一番無難で一番達成感に乏しい結末。まあ、みんなと友情で結ばれたと捉えれば、決して悪くはないんですけど。

 てなわけで、破滅を無事? 回避したカタリナの無自覚鈍感人たらし人生は続きます。しかし、主要キャラ全員にフラグおっ立てちゃった状態で、この先どんな展開になるんでしょうね。

既刊感想:

リアデイルの大地にて7

[著者:Ceez/イラスト:てんまそ/ファミ通文庫(B6判)]

 『村の宿屋にテレビを置いて、遠方からの映像を流してみんなで盛り上がろう』作戦。何がきっかけで、何がケーナの意欲を掻き立てたのか。改めて思い返してみても、「なんか気付けば成り行きでそうなってた」としか言い様がなかったかも知れない。

 今回前半は、その為の『モニター探し』として、ケーナとオプスが『守護者の塔』巡るお話でした。これまで、どのくらいケーナが『守護者の塔』を見つけて押さえたか、振り返って再確認する側面があったのかな? とも思いました。

 後半は武闘祭。元プレイヤー同士が張り切り過ぎたせいで、ちょっと半端な幕切れだったのは仕方なしか。オプスが参加した意図は、結局何だったんでしょうね。甲冑のちっちゃい人は誰だったんだろ? ぶつ切りな幕切れだったので、ハッキリしない部分もあったかなあ。

 多分だけど、オプスの狙いは元プレイヤーの注目を引いて集める事じゃないかな? 確か、後に起こる何らかの出来事にプレイヤー達が必要だ、とか言ってたみたいだし。この辺の事情も、まだ良く分からないですよね。

既刊感想:

リアデイルの大地にて6

[著者:Ceez/イラスト:てんまそ/ファミ通文庫(B6判)]

 再会したオプスから、核心であるこの世界の真相が語られましたが……なんか分かったような分からんような……。オプスさん、説明下手ですか? それとも、今はまだケーナに語るべき事でない部分を省略した為、妙に分かり難くなってしまったのか。

 うーん、言いたい事は何となく伝わって来ました。ただ、なんか変に複雑に捻られていて難解に思えたんですよね。予想以上に色々絡み合っている。

 で、結局今ケーナが生きる、この『リアデイル世界』って何なの? と考えると、今回のオプスの説明だけではどうにもハッキリこうだと言い切れないくて、もどかしく感じてしまう所もありました。

 現実世界での桂菜の『死』は、やっぱり変えようがないことが分かりました。でも、今のケーナの場所と状況から、叔父や従姉妹に接する『何らかの方法』はある、とオプスが匂わせていましたよね。

 あとは、まだ伏せられている世界の秘密を知って、ケーナがどう生きて行くか。ケーナ次第な所に委ねられて行くのかな。本音を言うと、ケーナが現実世界に生還する奇跡みたいな展開を願ってます。

既刊感想:

リアデイルの大地にて5

[著者:Ceez/イラスト:てんまそ/ファミ通文庫(B6判)]

 噂のオプス、遂に登場。彼を求めてのダンジョン探索がメイン。最後に顔出しのみながら、予想以上の大物感。そして想像通りにケーナと良い仲っぽい。

 二人の関係。ゲームプレイ時はどうだったか、現実世界でどうだったか、そして200年後の現在のリアデイル世界でどうなのか。詳しい事が分かるのはまだこれからですが、どんな局面でも“信頼できる相棒”なのは、ケーナの態度からも間違いなさそうです。

 ケーナ自身は、なんか凄い天敵感や厄介者感をオプス相手に見せているっぽいんですが、そうやって意識してるのも、まだ再会を果たしていない内から、『特別感』を抱いているように見えていました。

 どんな付き合いになって行くんでしょうね。次巻以降がとても楽しみです。あと、オプスの登場により、現状の世界の謎や疑問に感じている部分について、少しは明らかになって来るのかも知れません。

既刊感想: