[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼/MF文庫J]
西野と委員長って、「初々しい恋愛模様で青春してんなあ」って清々しさじゃなくて、なんか妙に生々しいんですよね。童貞と処女が行き場のない感情を持て余して悶々としたり張り切ったり、みたいな。表現的なものから醸し出されているものなのか。
委員長の西野に対する見る目が変わって、本人達には全く自覚が無いのに何故か両想いに。ただ、めでたいかと言われると全くそうでもないような。まず西野自身が常識を見失っていて、更に彼を取り巻く環境が異常過ぎる。これじゃまともな青春も恋愛も堪能出来ない。当の西野自身が最も渇望している展開だと言うのに。委員長がちょっと不憫かな。
両想いが成就する未来も、恋愛関係が発展する未来も、現状全く見通せない。次の修学旅行で変化が見られるのかどうか。でも、ずっと後手に回っていたローズも、いい加減黙っちゃいないでしょう。
一応今回の件に触れておくと、借金塗れになった松浦さんが西野のコネでアイドルデビューを目指す話でした。委員長は巻き込まれのとばっちり。全てを捨てて孤高になった女=松浦さんの図太い精神力は凄まじいの一言に尽きる。ある意味今回の主役。
西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜 11
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ぶんころり/またのんき▼ KADOKAWA 2021年06月25日頃