SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ティアムーン帝国物語IX ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

[著者:餅月望/イラスト:Gilse/TOブックス]

 話の中心にいながら、何故か一番事情が分かってなくてポカーンとしてるくせに、いざ切羽詰まったら神がかり的な最適解の話術を披露して難局をことごとく乗り越えている。

 未だに掴み切れない、このミーアの無能なんだか本物の叡智なんだか分からない異質さって何なんでしょうかね(毎度毎度同じような気持ちになってしまうんですけども)。

 そんな曖昧さの中でひとつ言えるのは、ミーアの前世で処刑されるまでの修羅場な経験が確実に活かされている、と言う事でしょうかね。

 必ずと言っていい程、土壇場でかつての無念や後悔が激しく浮かび上がり、たとえその大元が“自分の保身”であったとしても、結果的に周囲を最良の形で救う原動力になっているのは間違いないと思いました。

 今回までのシオン暗殺の一件も、ずっと「おいおい大丈夫かよ……」と言わされ続けながらも、結果的には最高の形で決着をつけたミーアのその手腕、お見事と言うしかないです。

既刊感想:IIIIIIVVIVIIVIII