SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

史上最強オークさんの楽しい種付けハーレムづくり

[著者:月夜涙/イラスト:みわべさくら/ガガガ文庫]★★

あらすじ
 オークと人間のハーフ、見た目は人間寄りの主人公・オルク。母親のミレーユに言い聞かせられ(そそのかされ)続けた結果、「異種族の女の子達を孕ませまくって、ハーレム王に俺はなる!」と目標を掲げて自らを鍛え上げ魅力的な男子になろうと奮起するが……。

見どころ
 作中で繰り返し「孕ませてハーレム」とか願望を生々しく言いまくっている。なかなか潔い。しかしオルク自身は「俺に押し倒されて孕まされたい、と心底願う相手でなければ一切手を出さない」と、恐ろしく受動的な所も面白い。

一押しキャラ:大賢者マリン・エンライト
 母・ミレーユの師匠にして、オルクも沢山の教えを受けた物語中の最強人物。実は超絶美少女(本人曰く)な5人娘を持つ過保護で子煩悩なパパらしい。オルクとの出逢いを絶対阻止したいそうですが、オルクがその道を進んでいれば今後間違いなく遭遇するでしょう。

一押しシーン
 エピローグ、エルフ娘・ティータと肉体的に結ばれる。オルクの意気込みが物凄いのでチョロいもんかと思いきや、同時に基本受け身な態勢なので意外と時間が掛かってます。その分心を開いた時に感慨深さもひとしおでした。

まとめ
 一言「ハーレム王を目指す」。これに尽きます。オルクの種族はオークですが、根は非常に誠実なので、雰囲気が生々しい割に嫌悪感は全くありません。次はどんな種族が“オルクに押し倒されたい”と名乗りを上げるのでしょうか。

明日の世界で星は煌めく

[著者:ツカサ/イラスト:むっしゅ/ガガガ文庫]★★

あらすじ
 ある日突然日常は終わりを告げ、人類は絶滅の危機に瀕す。突如出現した『屍人』により、無差別虐殺の犠牲になる人間達。ただ一人、『魔法使い』の資質を持つ主人公・南戸由貴が、かつて別れた親友・榊帆乃夏と再会し、明日の見えない世界に立ち向かって行く……。

見どころ
 とりあえず再会した由貴と帆乃夏のイチャイチャを存分に堪能して、ふと我に返って「それどころじゃないよ!」と気付かされるまで。あとは由貴の特別な能力を存分に活かした魔法描写。そして、帆乃夏の積極的な言動を目の当たりにした由貴が、徐々に自身の消極性を変えて行こう姐する姿、など。

一押しキャラ:南戸由貴
 実質帆乃夏との二択。通常は帆乃夏が由貴を引っ張り励ましていますが、危機的状況や窮地に陥った時の判断力、行動力などは由貴の方が上。そう言うギャップみたいな所が印象的でしたね。

一押しシーン
 第一章『ウィッチライフ』、由貴と帆乃夏が再会する瞬間。誰もが死に絶えたと思われていた中での奇跡の巡り合わせ。偶然ではなく、何となく互いの想いが引き寄せ合った結果、と思いたくなりました。

まとめ
 とにかく生き続けるのに精一杯で、まだ落ち着いた態勢が整っていないんですよね。最後でようやく、と言った所でした。帆乃夏の姉が『屍人』に話し掛けた事、由貴の父が生きている可能性、この辺りを追う事になりそうです。

デスペラード ブルースIII

[著者:江波光則/イラスト:霜月えいと/ガガガ文庫]★★

氷室奉先
 神座市最強伝説の男。玄翁神社の祭司。今回は彼を中心としたエピソードでしたが、行動原理が全く理解出来ないよこの狂人。多分登場人物の殆ども理解不能なんじゃないでしょうか。

渇望
 本心は誰かに理解して欲しかった……かどうかは分かりませんが。白夜は辛うじて理解出来た、だから渡り合えたのかも知れません。意図的に理解させない、それこそが氷室の本質、何も目的を持たず本能のままに生きる、そんな描き方をしていたような印象でした。

チ〇コ野郎
 氷室と死闘第一ラウンドを繰り広げた後、六花と鳴海と組んずほぐれつを目撃されて付けられたあだ名。情報得る為とは言え何してんの。面白過ぎて大笑いしてしまいました。それまでの緊張感が行方不明に。

白夜の目的
 氷室と戦って深手を負って満身創痍が続いていてすっかり忘れてましたが、家族を惨殺した真犯人の男の手掛かりを追っているんでした。次の神座御三家会合で、何らかの手掛かりが掴めそうな雰囲気が出てきましたね。

既刊感想:II

筺底のエルピス ―絶滅前線―

[著者:オキシタケヒコ/イラスト:toi8/ガガガ文庫]★★

確定された未来
 圭が鬼の“封伐”の為に潜った“門”の先でその事実を初めて知って、思わず言わずにはいられませんでした。「何の為に戦わなければならないんだろう?」と。少しでも未来を延命させる為には、彼等がやるしかないのは分かっているんですけどね。

それでも微かな希望はあるのか
 終盤で圭がもう一度門を潜った際、タイムリミットが僅かに延びていた事は良い意味と捉えて良いのかどうか。第五段階の鬼の討伐と、叶の成長、それだけが要因ではないでしょうけど、これが門を潜る度に延びて行ってくれたら、と思わずにいられませんでした。

『白鬼』と結
 現状で解決策が無く、現状維持のまま放っておくしかない所が本当に怖いです。破滅の条件がハッキリ提示されているので余計に。あまり考えたくないですけどね、初っ端からフラグとか……。

叶の『蝉丸』の真価
 これってもしかしたら『殺戮因果連鎖憑依体』の特効になり得るのでは? 通常、完全消滅までには幾つも手順を踏まなければならない所を、現場で即断ち切る事が出来るのでは……とか思ったりもしましたが、どうでしょうね。

友人キャラは大変ですか?8

[著者:伊達康/イラスト:紅緒/ガガガ文庫]★★

新章開幕
 一郎の友人キャラ大作戦、第二期スタート。が、しかし、勿論初っ端から躓いてます。アギトの異界侵攻も、こっちの戦力が圧倒的なので、一郎がどう粘ってもアニメで言う所の1クールすら持たずに終了してしまいそう(主にシナリオ破綻が原因で)。

小林一郎は未だに分かっていない
 裏方に徹しようとすればする程、全てが裏目に出て気付けば主人公ポジションに収まってしまう事に。今の所は上手い具合に主戦力から外れてましたが、もう既に綻びが見え始めているので裏方作業が終わるのも時間の問題でしょう。

黒亀里菜は悪魔に憑依されても黒亀里菜だった
 全く何もこれっぽっちも変わっちゃいねぇよ、この娘。それでも、これまで蚊帳の外に置いておいた場合、大抵忘れた頃に一郎のシナリオに致命的ダメージを与える困ったちゃんなので……むしろ放っておいた方が面白くなるのかも?

驚愕のラスト
 不意打ちも良い所で、本気で「ええええっ!?」ってなりました。いや本当に、どういう事? 一郎が一番そう思った事でしょう。何にしても次巻を待たなきゃならないのですが、これは巧い引きだなあ。

既刊感想:オフコース