SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

娘じゃなくて私が好きなの!?3

[著者:望公太/イラスト:ぎうにう/電撃文庫]★★★

母娘
 綾子が巧に対して『受け身過ぎる』所や、彼の出方を待ってばかりで自分の本心をはぐらかしてしまう所。一番身近な娘の美羽に完全に見抜かれてました。綾子に物申したい気持ちになるのも当然か。結局『母をけしかけるのが目的』とあっさり巧にバラしてましたが、美羽の巧に対する『想い』だけは、なかなか掴ませてくれませんでしたね。

母と兄と私
 つまり、実は美羽は『巧への恋心』を長年心の奥底に秘めていたのか? それとも、そんなものは全然なくて『家族として』綾子と巧の成就を心から願っているのか? ここに深く関連する、巧と美羽の過去の絵に秘められた『約束』のエピソードの真相は、本当に見せ方が上手いなあって思いました。

既刊感想:

娘じゃなくて私が好きなの!?2

[著者:望公太/イラスト:ぎうにう/電撃文庫]★★

行く手を阻む外敵は何もない
 綾子ママと巧の年の差交際。外側からの妨害、障害、横槍、邪魔など、そう言った『壁』みたいなモノが一切ない。既に前巻からそんな状況ですが、本当に驚く程、近しい人達が皆二人の交際を受け入れ応援してくれている。周囲の変な視線や思惑を気にする事なく、存分に大人な二人の初々しいイチャイチャを堪能出来る。温かい雰囲気に包まれているからこそ、安心して眺めていられるのだと思います。

踏み越えたい気持ちと踏み切れない想い
 告白した巧は受け入れ態勢万全なので、あとは返事を保留している綾子次第か。でも、長年『息子』として接して来た相手を、『恋人』と切り替えるのは、やはり並大抵の事ではない。頭では分かっていても、複雑な想いを抱える様子が伝わって来ますね。

既刊感想:

ドラキュラやきん!

[著者:和ヶ原聡司/イラスト:有坂あこ/電撃文庫]★★

致命的弱点と付き合いながらの日常生活
 夜勤コンビニバイトの吸血鬼主人公・虎木由良が、『人間になりたい』と願うお話(正確にはちょっと違うけど)。彼の日常生活を見ていると、そりゃもう「不便だなー」しか思い浮かばない。『日光を浴びると灰になる』とは吸血鬼のお約束事ですが、昨今その弱点をもろに抱いてるのも逆に珍しい気がする。だからと言って、そこが人間になりたい欲求に直接繋がっているわけではないんですけどね。

実力未知数なポンコツヒロイン
 助けて出逢った由良の天敵、吸血鬼討伐のシスター・アイリス。普段は『人間の男性』恐怖症のポンコツ。吸血鬼戦闘も大した事ない。ただ、一度開き直って覚悟を決めたら強い。得体の知れない『凄味』を感じさせる事もある。アリシアについてはまだ語られていない部分も多いので、色々気になりますね。

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 9

[著者:ぶんころり/イラスト:またのんき▼/MF文庫J]★★

突然『裏の顔』を主張し出すフツメン
 最近の学校内最底辺から、今回いきなり『闇社会の裏の顔』を強調されて、急激な落差に戸惑いを隠し切れませんでした。「西野、お前、そんなだったっけ?」って感じ。西野が『命を狙われている』、とフランシスカから告げられるのを見ながら、「それは一体何の冗談だ?」と。いや、でも本気で忘れてしまわないように、たまにはこんな風に思い出させて欲しいもんですよ。黙ってヤバい連中相手に立ち回っている分には、案外格好良く映るんだから。

ローズは『同業』だから拒否感あるのかどうか
 あと、異様に女に飢えてませんでした? 彼女欲しさでこんなガツガツ行く男だったっけ。悪手を繰り返してる自覚が無いので、無駄な努力に終わるとは思うけど。もう黙ってローズにしとけばいいのに。

既刊感想:

英雄教室の超越魔術士 ~現代魔術を極めし者、転生し天使を従える~2

[著者:月夜涙/イラスト:あゆま紗由/MF文庫J]★★

やがて消え行く義姉を救う為に
 ユウマ最大の目的。守護天使の義姉イノリを転生した現世に『定着』させる事。規格外の戦闘能力と、淡々とした性格ゆえに一見あっさりこなしてしまえるような印象を受ける。でも、実際には余裕も時間もあまり残されていない。圧倒的な力で魔族を討伐した今でも、時間の猶予と魔族の脅威に追われ、明確な解決策を模索し続けている。この辺り、転生主人公の爽快無双とは一味違う手応えですよね。

不安定な義妹の心を救う為に
 今回は、イノリの事を大切に考えつつも、決して無視出来ない義妹ファルのターン。ユウマとの関係性、思っていたよりもファルの方に『歪み』がありました。ここを解きほぐして相互理解を深め合うまで。告げたい想いをしっかり伝え合えて良かった。

既刊感想: