SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています4

[著者:御宮ゆう/イラスト:えーる/角川スニーカー文庫]★

 真由がメインの回。これまでより、更に彼女の内面の深い部分まで描かれています。家庭環境から過去の回想を経て、彼女の『恋愛観』が形成された現在に至るまで。普段悠太にウザ絡みしている様子からは想像出来ないくらい、真由自身でも持て余す程に複雑な想いを抱えている事に驚かされました。

 この物語って、真由も彩華も礼奈も、単純に恋愛感情だとか恋人関係だとかで括れない『複雑さ』を、物凄く抱え込んでいるんですよね。この要素に関しては、個人的には感情移入度が高くて凄く好きなんですけど、大分難儀なので追っているとまあ疲れますよね。

 悠太との関係、それぞれどうなるんでしょうねえ。正直先が読めません(先への期待感が高いので良い方の意味で)。『恋人関係』で考えるなら、現状悠太とよりを戻した礼奈が最有力なのかなあ?

既刊感想:

初級魔術マジックアローを極限まで鍛えたら2

[著者:ぺもぺもさん/イラスト:マシマサキ/モンスター文庫]

 一点特化の『マジックアロー』を、極限まで使いこなせるようになったアルベルト。でも、彼自身は決して無敵でも不死身でもない。その事実を思い知らされる内容でした。一見無双しているようで、実際には瀕死にもなるし劣勢にもなる。いくらマジックアローを極めても、『アルベルト一人だけではどうにもならない』局面に、幾度も立たされる。

 そんなアルベルトのマジックアローに、度重なるローラの助力が加わり、初めて難敵に対して最大限の力を発揮出来ている。この辺りの展開や見せ方が非常に面白くて良いなあと思いました。旅を共にする事で増して行く二人の絆、実に良いものでした。

 アルベルトは新たな能力開花で、更に父とのわだかまりも完全に解けて、流れが良い方へ向かっている。一方で、ローラは内に『災厄の魔女』を秘める事となり、ここは特に不安材料で気になる所です。

既刊感想:

俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていたII

[著者:わるいおとこ/イラスト:raken/ファミ通文庫]

 最初に物申したい。『ゲームの中に転移した世界』だとか、主人公がそのゲームのトッププレイヤーで、攻略法を熟知している状態である事など。これら前回で非常に重要視して語られていた事が、今回“ほとんど触れられていない”のは如何なものか。

 これ、ちゃんと説明描写無いと、主人公エルヒンの素性が『そう言うものだ』と把握し難いし、途中で表示される『数値』も意味分からんものになりませんか? 前巻読んでりゃそりゃ理解出来ているでしょうけど、やっぱり物語の大切な部分を担っていると思うので、しっかり描くべきではないかなあ。 

 ただ、上記の不満を抜きにして、戦記ファンタジーものとして見れば、とても面白いんですよ。エルヒンの『ゲーム知識』を用いた戦略で、どこまで思い通りに進めて行けるか。また、根幹の問題として、ゲームを模したこの世界は一体何なのか? まだまだこの先で気になる事は多く続きも楽しみです。

既刊感想:

魔帝教師と従属少女の背徳契約1

[著者:虹元喜多朗/イラスト: ヨシモト/HJ文庫]

 最初からハーレムルート確定&ハーレムエンドが約束されたエロコメ。それ以外のルートでは、設定的にハッピーエンドにはならなさそうなので。

 エロ展開を求めているかと言えば、あんまり求めてないんですが、ジョゼフが魔を統べる『大魔帝』になるには、『8人の従者となる少女を探してセックスして結ばれる』事が必要不可欠なのだそうで。まあエロシーンにも付き合うしかないですよね。

 あとは、作中で『黒魔術』の講義にやけに気合が入っていて、随分設定が練られているのに、「そこがメインにならないのは惜しいなあ」なんて思ったりもしてました。とは言え、戦闘シーンでは多少ジョゼフの黒魔術の教えが活かされていたので、この辺りは今後も上手い事盛り込んで欲しい所ですね。

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 16.黄泉返る可能性

[著者:海道左近/イラスト:タイキ/HJ文庫]

 レイが不在の『一方その頃……』な番外、外伝的エピソード。本編とどこがどう繋がってたのかは、良く分かんなかったです。次巻以降「この件はこうだった」と語られ繋がったりするんでしょうかね。

 と言うか、毎度の如く不満なんで今回もぶちまけますけど。本当にいい加減、『ゲーム内の国の位置関係を図で表示』『詳細な多数の登場人物紹介と相関図』『これまでのあらすじ』、どれかでも付けて欲しい。さすがにここまで巻を重ねたら整理が欲しいし、正直段々話の前後の繋がりが良く分かんなくなって来てるし(何か毎回言っちゃいそう)。

 でも、今回単体で見たら熱い展開で面白かったんですよねえ。ユーゴー&キューコ、師匠の【撃墜王】AR・I・CA、【殺人姫】エミリー、【冥王】ベネトナシュ。一つの都市に超級クラスが集い、様々な思惑を交差させて激突する。これが今後の本編にどう影響して行くか、やっぱり楽しみな所です。

既刊感想:『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』感想一覧