[著者:竹宮ゆゆこ/イラスト:ヤス/電撃文庫]
シリーズ最終巻。竜児と大河が逃避行の果てに見たのは、ラスボスとして立ちはだかる『母親』と『家族としての距離』だった……と。
読んでいる時の気持ちとしては、もうずっと竜児と大河の『子供側の主張』の支持派だったので、「いくら親であっても、強制するより本人達の好きなようにさせてあげてよ」な意見だったんですけどね。
ただ、未成年の子供だけで生きて行く事は現実的には無理があるので、大人に従うしかないのは分かっているけど……的なもどかしさは、特に“親から逃れて自由を得たがっていた”二人を見ていて強く感じてしまいました。
最後の所は、『竜児と大河の関係の問題』で重苦しい思いをするかと思ってたんですが、違う意味合いでもっと重苦しい気分を味わってしまいました。
けれども、道中で色々ありましたが、最終的には「こうあって欲しい」と言う結末に着地してくれて、なによりホッと出来るもので良かったなと思いました。