SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの?2

[著者:柚本悠斗/イラスト:西沢5ミリ/GA文庫]★★★

楽に流されるままではいられない現実
 「きれいなお姉さんに養われたい!」って妄想を抱いているだけの方が、まだ幸せで楽なのかも知れない。本当に『有り得ない事が起こった』状況に置かれた場合、想像以上に難儀だなあ……と言うのが今回のお話。お姉さんの方は瑛太を一生養ってもいいと本気で思っているけれど、瑛太の気持ちがそうなる事を許容出来ない。どんな距離感で接するべきか、二人にとって難しい決断を迫られる事になる。

真剣に悩み迷い向き合って答えを出すまで
 お姉さんの女優としての知名度、未成年男子と成年女性の同居、瑛太の進路問題。この辺りがバレた場合の危険性や、同居を続ける壁となっている。最初は楽観的な雰囲気でしたが、途中から二人共真剣に『今後の接し方』について向き合うようになる。この辺りの展開は特に見応えあって良かったですね。

既刊感想:

俺の女友達が最高に可愛い。2

[著者:あわむら赤光/イラスト:mmu/GA文庫]★★

心の内の本当は、当人同士にしか分からない
 『異性の友達関係』に納得が行かない、納得が出来ないのって、当人同士以外の人達。到底そうは見られないから、と言う『常識』を当てはめてしまう。二人にとっては必ずしもそうではないのに。どうしても当人同士以外では把握し難い所ですよね。

恋愛感情の空気は感じない(今の所は)
 前は「どうせその内両方かどちらかが恋愛感情抱くんでしょ?」とか思ってましたが、現状カイとジュンを眺めてる分には全くそんな匂いがしない。そこは今回琴吹が介入しても揺るがない。だからこの二人に関しては、紛れもなく『居心地の良い距離感の友達関係』になれている。まあ突如芽生える事もあるだろうし、持続するかどうかは分からないですけど。どの方向に進むのか続きが凄く気になる。

既刊感想:

邪神官に、ちょろい天使が堕とされる日々

[著者:千羽十訊/イラスト:えいひ/GA文庫]★★

神々の争いで勝利した神が唯一絶対の世界にて
 神々の戦争で勝利した『ヤルダバオト』が現在の唯一神となり、それを崇める教団が絶対で、それ以外の神々や信徒は隷属使役されるに甘んじている。主人公のギィはヤルダバオト教団の『祈師』でありながら、むしろ唯一神の『絶対性』を根本から破壊しようとする立場に身を置いている。もっとも、彼自身は隷属従者のチェルシーを護る立場としてそう振舞っているだけで、実際にはどの神に従い信仰するだとかは割とどうでもいいって感じですよね。

従順(のフリ)を通すか、対立に身を置くか
 今回の件が秘匿され続ければ、祈師として通常通りに立ち回れそうですが、多分何処かから漏れてヤルダバオトと敵対する方向に行くんじゃないかなあ。チェルシーとアストリッドが敵対意思を抱いてるので、そうなった方が話としては盛り上がりそう。

昔勇者で今は骨5 東国月光堕天仙骨無幻抜刀

[著者:佐伯庸介/イラスト:白狼/電撃文庫]★★

『主人公が骨』だけは絶対に忘れない
 久々過ぎて思ってた以上に結構色々忘れてた。正直、主人公が『骨』以外の事がしっくり来なくて。読みながら、少しずつ登場人物や物語の雰囲気を思い出せたような感じでした。最初に考えていたのが、『次の目的は何だったか?』について。今回の東国転移って本来の目的ではなく、突発的で巻き込まれ事故的な出来事だったと言う事なのかなあ。

導かれし骨
 アルの師匠・マガツの出身国であり、剣術流派発祥の地であり、突発的ながら『見えない力に導かれた』みたいな雰囲気はありました。ただ、本来の道筋とは離れた展開だったのかなあ、って気もしましたが。終わり頃にハルベルの村がどうこう言ってたので、次はその辺りの話になるのでしょうかね。

既刊感想:

錆喰いビスコ6 奇跡のファイナルカット

[著者:瘤久保慎司/イラスト:赤岸K/電撃文庫]★★★

そこにあるのは純粋過ぎる程の創作意欲だった
 ただただ単純に、純粋に『ビスコ主演の物凄い映画を撮って』『ビスコに己の存在を認めて貰いたかった』だけ。本当に混じりっけなくそれだけ。もしかしたらその先で全国民洗脳計画、なんて思惑があったかも知れませんが。結局の所、自分が撮った『ビスコの凄さ』を多くの人に知って欲しかっただけ、だったんじゃないかなあ。やり方は確かに多方面に(主にビスコに)迷惑かけまくりでしたが、この黒革の情熱は本当に『真っ直ぐ』なんですよね。

ビスコに魅了される人達
 黒革もパウーもミロも、誰もがビスコの魅力に焦がれて情熱的に追い求める。その姿はまさに『恋する乙女』って感じ。まあミロは男の子なんだけどさ、正ヒロインの座が一番しっくり来るよやっぱり。

既刊感想: