SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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おかしな転生XII 学生たちには飴と鞭

[著者:古流望/イラスト:珠梨やすゆき/TOブックス]

 今回のペイスに課せられた士官学校へ教官としての出向依頼は、モルテールン家が発展し過ぎないように、領主代行を領地から離すと言う他貴族・他領主の思惑が絡んでいたもので。

 要するに『出過ぎた杭を打つ』的所業で、ひとつの家が突出して目立つのを良しとしない策みたいな所が何とも意地悪くて嫌らしい。

 しかしながら、一方で何かと狙われ易い状況のモルテールン家が『目立ち過ぎないように』と、“助け舟を出す”意味であえて改革を一時的に遅らせようと手を打った風にも見える所がまた何とも嫌らしい所で。

 どちらにしてもペイスには従う選択しかなかったわけですが、まあ相手の思惑もなんのそので、教官生活を勝手に充実させて楽しんでましたね。

 落ちこぼれ達を育成して優秀生徒に仕上げて、結果的にペイスの株がさらに上がる。王道的な展開ながら、生徒たちの成長過程の部分は見応えがあって楽しいものでした。

既刊感想:IIIIIIVVIVIIVIIIIXXI